クエンティン・タランティーノ監督の名作「パルプ・フィクション」は、1994年にアメリカで公開され、犯罪とダークコメディが絶妙に融合した不朽の名作として、多くの映画ファンに愛され続けています。
このブログでは、映画のあらすじ(ネタバレあり)と、タイトルの意味について詳しく解説していきます。
タランティーノ監督の独特なセンスが凝縮された作品で、私も大好きな映画です!シーンごとに使われている曲も良いチョイスですね♪
「パルプ・フィクション」作品情報
作品情報
作品名 | パルプ・フィクション |
---|---|
製作年 | 1994年 |
上映時間 | 154分 |
監督 | クエンティン・タランティーノ |
受賞歴
映画『パルプ・フィクション』は、その斬新なストーリーテリングと独特のスタイルで高く評価され、カンヌ国際映画祭では最高賞であるパルム・ドールを受賞しました。
また、アカデミー賞では見事に脚本賞を獲得し、さらにゴールデングローブ賞でも脚本賞に輝いています。
この作品は、クエンティン・タランティーノ監督の名を世界的に広めた名作として、現在でも多くの人々に支持され続けています。
キャスト
- ジョン・トラボルタ:ヴィンセント・ベガ
- サミュエル・L・ジャクソン:ジュールス・ウィンフィールド
- ユマ・サーマン:ミア・ウォレス
- ブルース・ウィリス:ブッチ・クーリッジ
- マリア・デ・メデイロス:ファビアン
- ヴィング・レイムス:マーセルス・ウォレス
- フィル・ラマール:マーヴィン
- フランク・ホエーリー:ブレット
- バー・スティアーズ:ロジャー
- アレクシス・アークエット:4番目の男
- ティム・ロス:パンプキン
- アマンダ・プラマー:ハニー・バニー
- エリック・ストルツ:ランス
- ロザンナ・アークエット:ジョディ
- クエンティン・タランティーノ:ジミー
- ハーヴェイ・カイテル:ザ・ウルフ
- クリストファー・ウォーケン:クーンツ大尉
- スティーヴ・ブシェミ:バディ・ホリー
実は、タランティーノ監督自身も出演しており、ジュールスの友人ジミー役を演じています。
「パルプ・フィクション」のあらすじ(ネタバレあり)
映画「パルプ・フィクション」は、3つの異なるエピソードで構成されています。
冷酷なギャングのヴィンセントとジュールスが、ボスから重要な荷物を回収する任務を受けます。彼らの危険な仕事の中で繰り広げられる哲学的な会話が、この物語の魅力を際立たせています。
ボクサーのブッチ。彼はマフィアのボスから八百長を依頼されますが、試合で予想外の出来事が起こり、ブッチは運命に立ち向かいます。
ヴィンセントがボスの美しい妻ミアと一夜を共に過ごすことになり、2人の危険な出会いが物語の中心に展開されます。
これら3つの物語が巧妙に絡み合い、予測不能な展開が続きます。
ここから先は、映画の核心に触れる内容となりますので、ネタバレを含みます。
まだ映画をご覧になっていない方や、ストーリーを事前に知りたくない方はご注意ください。
それでは、いよいよ物語の詳細に迫っていきます。
ロサンゼルスの朝、とあるコーヒーショップ。
不良カップルのパンプキンとハニー・バニーは、コーヒーを片手に
「誘拐、銀行強盗、ドラッグストア襲撃 …
その中でも最も安全で確実なのは、コーヒーショップ強盗だ」
と話し合っていた。
ヴィンセント・べガとマーセルス・ウォレスの妻
ボスのマーセルスが不在の夜、ヴィンセントは彼の妻ミアの相手を一晩だけするよう命じられます。
緊張しながらもヘロインを手に入れ、自分もキメてからミアを迎えに行きます。二人はレストランで楽しい時間を過ごし、ツイスト大会では優勝してトロフィーを獲得。
その後、ミアが誤ってヘロインを吸引してしまい、命の危険に。ヴィンセントは急いで売人の家にミアを連れて行き、何とか蘇生させます。
二人はこの出来事を秘密にすることを誓い、別れるのでした。
金の腕時計
プロボクサーのブッチは、ボスのマーセルスから八百長試合を依頼され、報酬を受け取りますが、試合当日に相手を殴り殺してしまい、マーセルスの怒りを買って逃亡することに。
ブッチは恋人のファビアンに逃亡の準備を任せますが、大切な金の腕時計がないことに気づき、彼女に激怒します。
腕時計を取り戻すため、ブッチはアパートに戻り、無事に時計を見つけますが、待ち伏せしていたヴィンセントと鉢合わせし、銃撃戦の末に車で逃走します。
逃げる途中、信号でマーセルスに遭遇し、追いかけられた末に事故を起こし、質屋に逃げ込みます。
ところが、質屋でマーセルスと共に囚われ、危機に陥ることに。マーセルスが凌辱される中、ブッチは一度は逃げようとしますが、彼を救うことを決意。
質屋の店長を斬り殺し、マーセルスとの因縁はここで清算されます。
ボニーの一件
ヴィンセントとジュールスは、スーツケースを奪った若者を始末した直後、トイレに隠れていた別の若者に銃で乱射されますが、幸運にも弾は一発も当たりませんでした。
この出来事にジュールスは神の奇跡を感じ、足を洗う決意をしますが、ヴィンセントは偶然だと反論。
二人が車内で激論を交わす中、後部座席にいたマーヴィンを誤って撃ち殺してしまいます。
慌てたジュールスは友人ジミーの家に駆け込みますが、朝早く自宅ガレージに血まみれの車と死体を持ち込まれたジミーは激怒。
特に、夜勤明けで帰宅する妻ボニーに見られたら離婚されると恐れ、協力を拒みます。
ジュールスはボスに助けを求め、掃除屋のウルフが派遣され、手際よく死体と車の処理が完了。
事なきを得た二人は、朝食を食べにコーヒーショップへと向かいます。
朝食を食べようと入ったコーヒー・ショップで、ヴィンセントがトイレに入った途端、パンプキンとハニー・バニーによる強盗が始まり、冒頭のシーンに繋がります。
「パルプ・フィクション」タイトルの意味は?
冒頭に「pulp(パルプ)」の単語の意味の字幕が出てきます。
パルプの意味
1. 柔らかく湿った形状のない物体
2. 質の悪い紙に印刷された扇情的な内容の出版物
「パルプ・フィクション」というタイトルは、1930年代から1940年代にかけてアメリカで流行した低級犯罪小説を指す「パルプ(マガジン)」から取られています。
映画のパンフレットに載っていた解説ページでは、映画評論家の淀川長治さんが「パルプ・フィクションとは、読み捨て三文スリラー小説である」と説明しています。
読み捨て三文スリラー小説とは?
短編のスリラー作品を収めた雑誌や書籍のことを指します。
これらの物語は数ページから数十ページで構成されており、手軽に読み切れるのが特徴です。
「三文」という言葉は、かつて日本の雑誌などで使われ、安価で購入できることを意味していました。
つまり、読み捨て三文スリラー小説は、手頃な価格で楽しめる作品集を指しています。
まとめ
映画「パルプ・フィクション」は、冷酷な雇われギャングのヴィンセントとジュールス、ボクサーのブッチ、そしてボスの美しい妻ミア、これら3つの物語が絡み合うストーリーです。
タイトルの「パルプ・フィクション」は、読み捨てのスリラー小説を意味し、映画の内容や雰囲気を表現しています。
この映画の面白さは、同じ登場人物を違った視点から見ることができる点です。予測できない展開で飽きさせず、個性豊かなキャラクターたちが魅力的なエンターテイメント作品です。
タランティーノ監督の独特な世界観が際立つ作品で、映画ファンなら必ず楽しめる一作です。